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E-Sysによるコーディングの種類
 E-Sysでコーディングを実施する場合、2種類のコーディングがあります。適切にコーディングを実施するためにも、それぞれ誤解のないよう正確に理解しておきましょう。
  1. VOコーディング
     VOコーディングはFAコーディングとも言います。VOはVehicle Orderの略で、車両の注文情報を意味します。BMWでは、個々の車両にどのような装備やメーカーオプションが組み込まれているかを車台番号に紐づけて管理しています。この装備状況を示す情報をVOといいます。例えば下の表は5シリーズF10の車台番号から出力したオプションコード(VOコード)の一覧です。E-SysにはこのVOに従って自動的にコーディングパラメータを生成する機能があります。これを利用してコーディングを行う方法をVOコーディングと言います。
    VOコード 装備
    1CA Selection of COP relevant vehicles
    212 National brake system equipment
    258 Runflat tyres
    2ND M light alloy wheels Double-spoke 351 M, 19" with mixed tyres
    2TE Steptronic transmission with gearshift paddles
    302 Alarm system
    322 Comfort access system
    337 M Sport package
    3AG Rear view camera
    403 Glass roof, electric
    415 Roller sunblind for rear window
    416 Roller sunblinds
    423 Floor mats in velour
    428 Warning triangle
    430 Interior and exterior mirror package
    431 Interior rear-view mirror with automatic anti-dazzle function
    441 Smoker's package
    459 Seat adjustment, electrical with memory
    481 Sport seats for driver and front passenger
    488 Lumbar support for driver and front passenger
    494 Seat heating for driver and front passenger
    4CE Fine-wood trim Fineline anthracite
    4NB Automatic air conditioning with 4-zone control
    4NE Blow-by heater
    4U2 Driving Experience Control incl. ECO PRO
    4UR Ambient light
    502 Headlight washer system
    508 Park Distance Control (PDC)
    548 Speedometer with kilometer reading
    552 Adaptive LED headlights
    5A1 LED fog lights
    5AG Lane Change Warning
    5AL Active Protection
    5AT Driving Assistant Plus
    601 TV function
    609 Navigation system Professional
    676 HiFi loudspeaker system
    698 Area Code 2 for DVD
    6AC Intelligent Emergency Call
    6AE Teleservices
    6NS Enhanced telephony with extended smartphone connectivity
    710 M leather steering wheel
    715 M Aerodynamics package
    760 BMW Individual high-gloss Shadow Line
    775 BMW Individual headliner anthracite
    7CG Repair Inclusive - 3 years/200,000 km
    807 Japanese version
    845 Acoustic seat-belt warning
    852 Japanese language version
    876 Radio frequency 315 MHz
    8KA Oil service interval 24 months/30,000 km
    8S1 Daytime driving lights decoding
    8S3 Automatic lock when driving away
    8SX Provider assignation for Telematic and Online Services
    8TM Daytime driving lights on engine start inactive
    925 Shipping protection package
    992 Control of number-plate attachment

     例えば上記に「8S1」というコードがありますが、これは「Daytime driving lights decoding」と記載されています。和訳すると「デイライトの無効化」となります。以前のBMW車両は欧州や米国ではデイライトが標準化されていましたが、当時日本国内ではまだデイライトが一般的ではありませんでしたので、日本仕様の車両だけわざわざデイライトを無効化していました。そのためのオプションコードが「8S1」です。VOにこの「8S1」が書き込まれている場合、E-SysでVOコーディングを実施するとE-Sysが自動的にデイライトを無効化するパラメータを生成して車両に書き込みます。VOコーディングでは自動的にパラメータが生成されるので、個別にどのパラメータを何に変更するか知らなくてもコーディングが可能です。これを応用するとメーカーオプションの後付けが可能となります。

     例えばメーカーオプションの電動トランクを後付けした場合、単に部品を組付けただけでは開閉ボタンを押しても動作しません。これは電動トランクを制御するロジックが車両のECUに書き込まれていないためです。そこで車両のVOに電動トランクのオプションコード「316」を追記したうえで電動トランクの制御に必要なECU(例えばヘッドユニット、CAS、HKLMSなど)に対してVOコーディングを実施すると、具体的なパラメータを知らなくてもその車両に必要なパラメータをE-Sysが自動生成し車両へ書き込んでくれます。他によく使用されるVOコーディングはEDC無効化があります。EDC(Electronic Damper Controller)付き車両の場合、車高調を社外品に変更するとそのままではEDCエラーが発生しますので、車高調交換後にEDCを無効化するVOコーディングを実施する必要があります。具体的には車両のVOからEDCのオプションコードを削除した状態でVOコーディングを実施することにより、EDC無効化に必要なパラメータの変更をE-Sysが自動的に行ってくれます。
     
     また、VOコーディングが役立つ場面としては、コーディングパラメータの初期化(納車時の状態へ戻す)があります。E-SysはVOに従って自動的に必要なパラメータを生成してくれるので、万が一FDLコーディングで変更するパラメータを間違えてしまった場合、VOコーディングを実施すれば全てのパラメータをVOに従って再構築してくれるので、VOを納車時から変更していなければ結果的にコーディングパラメータを納車時の状態へリセットすることが可能です。

     なお、VOコーディングは個別のパラメータの編集を行わない(正確にはE-Sysが自動で編集してくれる)のでPSdZDataの暗号化を解除する必要がありません。従って、LauncherPROやBimmerUtiltyなどのFDLコーディング用補助アプリを使用する必要が無く、E-Sys単体で施工が可能です。(もちろん車両データであるPSdZDataは必要です)

     
  2. FDLコーディング
     FDLコーディングは特定のパラメータを個別に編集する方法です。通常、コーディングと言うとこのFDLコーディングを言うことが多いと思います。FDLはFunction Data Listsの略です。例えばデイライトを有効化する場合、F30ではヘッドユニットとフロントエレクトロニックモジュールの2つのECUに対してFDLコーディングを実施する必要があります。

     なお、FDLコーディングは個別のパラメータの編集を手作業で行いますので、暗号化されたPSdZDataを解読しパラメータ値を表示する必要があります。従ってE-Sys単体で施工することができず、必ずBimmerUtiltyなどの補助アプリで解読してパラメータ編集を行う必要があります。FDLコーディングの具体的な実施方法については、次のページで詳しく解説していますのでぜひご覧ください。


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