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BMW・MINIのコーディングを実践する場合、車両の年式・シリーズ等によって様々なツールやソフトウェアがあります。初心者の方は迷いやすいので、まずはこのブログを読むことで少しでもコーディングの楽しさにふれて頂ければ幸いです。
ここでは、パソコンを使ってコーディングする場合に必須のENETケーブルについて解説したいと思います。なお、ここで紹介する各種アプリケーションは当店が販売するものではありません。入手方法についてはサポートさせて頂きますが、その利用についてはお客様の自己責任でご判断下さい。
E-NETケーブルの特徴
- ?対応車両
BMW Fシリーズ、Gシリーズ、iシリーズ、トヨタスープラ
MINI Fシリーズ
※BMW EシリーズとMINI Rシリーズには使用できません。
- コーディングアプリ
E-Sys(イーシス)
ドイツのBMW.AGが開発したコーディングアプリ。実際にBMWの車両製造に使用されているアプリで、海外フォーラム等で無料で入手可能です。コーディングの方法にはパラメータ解析が不要なVOコーディングとパラメータ解析が必要なFDLコーディングの2種類がありますが、VOコーディングであればE-Sys単体で実行可能です。一方、FDLコーディングを実施するためには、後述のFDLコーディング補助アプリ(LauncherPROまたはBimmerUtilty)が必要です。
※当店のENETケーブルに付属しているマニュアルで、無料でE-Sysを入手する方法を解説しています
LauncherPRO(ランチャープロ)
BMW.AGとは無関係のTOKEN Master(トークンマスター)という米国のエンジニアが開発したFDLコーディング補助アプリです。E-SysにアドオンすることによってFDLコーディングを可能とするツールです。無料版はversion2.8.1が出回っていますが、2017年に開発されたアプリであるため動作するJava環境が古く、パソコンの環境によっては相性が悪くJavaエラーが発生し動作しない場合があります。参考までに、OS毎の適合可能性は下記のとおりです。
Windows7 …◎(ほぼ適合)
Windows8以降 … △(パソコンによっては動作しない可能性あり)
また、FDLコーディング用のパラメータ解析データのバージョンが古いため、主にGシリーズで使用されているBDCモジュールなどの一部の最新モジュールでパラメータ解析ができません。このため、無料版LauncherPRO2.8.1は基本的にはFシリーズのみしか使えないものとなっています。
※当店のENETケーブルに付属しているマニュアルで、無料でLauncherPRO2.8.1を入手する方法を解説しています
BimmerUtility(ビマーユーティリティ)
LauncherPROの古さを補うために開発した有料のFDLコーディング補助アプリです。LauncherPROと同様、E-Sysと組み合わせて使用します。有料ですがコーディングパラメータの解析データは常に最新にアップデートされるため、最新車両のコーディングが可能です。また、常に最新版へのアップデートが
- ENETケーブルの長所
・VOコーディングなら無料のE-Sysのみで実施できます。VOコーディングは、誤ってコーディングパラメータを変更してしまった場合やコーディング後に車両の動作が不安定になった場合などに、コーディングデータを納車時の状態へリセットしたり、メーカーオプションを後付けする際に使われます(例えば、電動トランク、渋滞時自動ステアリング操舵有効化など)
・とりあえずFシリーズであれば無料でFDLコーディングが可能です。
・BMW純正の車両診断ソフト(ISTA-D)を使用することができます。
・Fシリーズの車両ナビ地図アップデートコードを生成することができます。
- ENETケーブルの短所
・別途、ノートパソコンが必要です。また、パソコンが苦手だと難しい部分があるかもしれません。
・無料版LauncherPRO2.8.1に内蔵されているFDLコーディング用パラメータ解析データが古いため、新型Gシリーズなどの車両でFDLコーディングができない場合があります。その場合は別途、有償のBimmerUtilityアプリが必要となります。
それではそれぞれの特徴について解説していきます。
- コーディング用アプリ
パソコンでコーディングする場合、アプリは基本アプリであるE-Sys(イーシス)と、補助アプリであるLauncherPRO(ランチャープロ)またはBimmerUtilityを使用します。E-SysはドイツのBMW ESG Gmbh(BMWのシステム子会社)が開発した正規のアプリケーションで、海外フォーラムなどで無料で入手することができます。もちろん当店でENETケーブルをお買い求めいただいたお客様には、無料で入手するための具体的な方法をお知らせいたします。
一方、補助アプリであるLauncherPROまたはBimmerUtilityは、E-Sysと組み合わせて使用することで、E-SysでFDLコーディングを実施する際に必要なパラメータの解析を行うツールです。
なお、LauncherPROのうち2017年頃に作られたバージョン2.8.1は無償で入手することが可能です。当店でE-NETケーブル+マニュアルセットをお買い求め頂いたお客様には、コーディングに必要なE-Sysや無料版LauncherPROの入手や使い方に関する詳細なマニュアルをご提供しています。また、既にENETケーブルをお持ちのお客様におかれましては、こちらでENETケーブル用マニュアルのみを販売しておりますのでぜひご検討ください。(マニュアルの内容はENETケーブル+マニュアルセットに付属するマニュアルと同一です)
このE-Sysを使用してコーディングすることの最大のメリットは、通常のコーディングに加えて、かなり細かい設定の変更が可能というところです。同様のことはBimmerCodeアプリのエキスパートモードを使用すればある程度は可能ですが、例えばメーカーオプションの後付けを有効化することはBimmerCodeアプリではできません。メーカーオプション後付けにはE-Sysが必要です。具体的には、当店でも販売している電動トランク、クルーズコントロール有効化、アクティブクルーズコントロールStop&Go有効化、M3やM5などに装備されているEDC(Electric Damper Control)の無効化や、ハイビームアシスタント有効化などです。これらを行うためにはENETケーブルとパソコンを使ってコーディングする必要があります。
- パソコンでコーディングする手順(概要)
パソコンでのコーディング手順をまとめると次のようになります。詳細は付属のコーディングマニュアルをご覧ください。慣れないと複雑に感じるかもしれませんが、愛車のために頑張りましょう!
1.ENETケーブルを購入する(初回のみ)
2.各種アプリを入手する(初回のみ)
ENETケーブルに付属している当店オリジナルマニュアルにて、E-Sysと無料版LauncherPROを入手する方法をご案内しておりますので、ご安心ください。
3.車両へ接続する
4.バックアップを取る(任意)
5.コーディングを実施する
ざっとこのような手順です。
1〜2は初回のみ、一度実施してしまえば毎回やる必要はありません。
3〜5はコーディングの度に実施します。バックアップは極端なことを言うと省略しても問題はありませんが、それほど面倒な作業ではないですし後で自分が実施したコーディングの内容を確認したり元に戻したりすることもできるので、念のためやっておいたほうがいいでしょう。
- BMW純正車両診断用アプリISTA-D
ISTA-DはBMW純正の車両診断用アプリです。別名Rheingold(レインゴールド)とも呼ばれています。コーディングは行えませんが、車体の図面、パーツの取り外し方、電装パーツの配線図などの閲覧、エラーコードの参照・リセット、バッテリー交換情報の登録など、通常ディーラーで実施するような整備診断を行うことができます。
- Fシリーズナビ地図アップデートコード生成
車両からENETケーブルを使ってナビ地図のFSCコードを抽出し、最新マップをクルマにインストールした時に必要なアクティベーションコードを生成することができます。
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